●熊野の語源● 熊野は「こもる」の意、木々が生い茂っている様。 熊の古語は「神」を意味し、神聖な土地を「くまくまし」と古代の人は呼んでいたという。奥深く、神秘な処。神の里という意味になるのでしょうか。
●祭神● 伊邪奈美大神 (国生みをした神様。天照大神の母神)櫛御気野大神=須佐之男命(天照大神の弟神)
●本山● 和歌山の【熊野三山】熊野本宮大社(本宮) 熊野速玉大社(新宮)熊野那智大社(那智) 熊野神社は全国に3000社以上あります。
●祭祀● 1月/歳旦祭 5月/稲荷・弁天祭 9月/例大祭 12月/年越の大祓式
2月/節分祭 6月/夏越の大祓式 11月/酉の市
★いろいろ説はございますが、 ●天・地・人の調和=神様・自然・人は親兄弟であるという説。 ●熊野三党=榎木・宇井・鈴木氏を表す。三氏によって熊野は栄え、護られてきたという説。 ●金鳥=太陽の中には三本足のカラスが住み、カラスによって太陽は運ばれるという説。(中国の伝説・太陽の象徴)
●八咫烏● 八咫烏(やたがらす)とは、三本の足をもった大きなカラスです。Jリーグのシンボルマークでお馴染み。 新宿十二社・熊野神社の交通安全の御守りにも描かれています。 本山である熊野三山の神紋でもあり、熊野と八咫烏とは深い繋がりがあるようです。
★八咫烏はこんなところに生息しています。 ●天皇の礼服の紋章、儀式の幢(はた) ●熊野三山の神紋、絵馬、牛玉宝印のカラス文字 ●奈良・八咫烏神社、京都・賀茂神社の祭神 ●奈良・橿原神社の交通安全の御守り ●麻布・熊野神社の賽銭箱 ●吉野の酒銘柄 ●鈴木家の家紋 ●岡山県立鳥城高校の校章 …などで見られます。
★神話その1 八咫烏とは、初代・神武天皇が、都(日本建国)を造る為に、高千穂から大和へ向かう道中、熊野山中の道案内をしたカラス。そのお陰で、無事に大和へたどり着き、都を築きあげる事が出来たという。天照大神が神武軍を導く為に、天から遣わしたものだという説。京都・下鴨神社の祭神・賀茂建角身命の化身。鴨(賀茂)族の先祖とも云われる。
★神の使いといわれる動物は、まだまだ、たくさんいます。 広島・厳島神社も烏。奈良・春日神社は鹿。 滋賀・日吉神社は猿と烏。名古屋・熱田神宮は鷺。 京都・北野天満宮の牛、石川・気多大社の雉…などがあります。それぞれ、神話、伝説に由来しているもので、調べてみるとなかなか面白い。
★神話その2 八咫烏とは、熊野の神の使いであるという説。熊野の守護神説。 熊野の猟師(千代包)が、大きな猪に手傷を負わせたが、仕留められず見失っていた時に、八咫烏が猟師を猪の所まで導いてくれたという。その八咫烏が、突然大木の上で金色の光りを放しだした事に驚き、千代包は、カラスに向かって矢を放とうとする。 すると、金色の光りは、三枚の鏡となり答えたそうな。 「我こそは天照大神の五代目の子孫であり、我が国、万人を守る者、熊野権限として現る者」「宿縁によって汝に姿を見せるのである」千代包は畏まり、大木の下に三つの庵を造り、祀ったそうだ。その後、千代包は天皇の命を受け、御宝殿を造り奉り、熊野三山の開祖となったという。