日本には、国民の祝日というものがあります。
ある時代(戦前?)までは祝祭日と云われていました。
祝日とは、国家が定める祝いの日を、
祭日とは、神道に基づく(主に皇室)祭祀や神社の祭事が
行われる日を指したそうです。

祭りとは、祭日と同じ、神社の祭事です。
古語でいうと「まつらふ」で、神様に感謝して、さらなる加護を期待するもの。
五穀豊穣や無病息災を祈願したあたりがはじまりで、
「さわらぬ神に祟りなし」と云われる様、丁重に祀ればご利益を与えてくれるが、粗末にするとバチがあたると信じられていました。
ですから、できる限りのおもてなしをして、喜んでもらう事が祭りの原点かな。おもてなしは、神楽、祭り囃子であったり、御神酒、ご馳走など、お供えであったりするのです。人々が祭りを楽しめば、神も喜ぶということでしょうか。
祭りや神輿に参加した事がない方でも、七五三や成人式で神社へお参りに行ってますよね。子供の成長を喜び、感謝し、これからも健やかなる日々を願う…祭りも同じ。神社の一年は、歳旦祭から始まる。一年の無事息災を願う祭りです。春の祈年祭、秋の新嘗祭、12月の大祓祭など、さまざまな祭りが神社では催されます。
神輿が出る祭りは「神幸祭」「神輿渡御とぎょ」「おわたり」などと呼ばれています。

神輿 って何?
「神輿=御興」とは、神霊が乗られるものです。(山車も同じです)
通常は神殿奥に鎮座している神霊が、遷座祭(せんざさい)という儀式によって表に出られ、その後、神輿へ神霊入れの儀式が行われます。
神霊が乗られた神輿を私たちは、担ぎ、練り歩いています。
氏子の幸いを祈り、災いを除いてもらう為のものです。
神霊が乗られている神輿ですから、歩道橋などから見下したりしないで下さいね。

神輿には、睦所有の町神輿・子供神輿。
神社所有の本社神輿(宮神輿)があります。
一般的に本社神輿は1〜3基あり、一之宮・二之宮・三之宮と呼ばれています。本社神輿は、町神輿と比べて、とても大きく、気品があり、由緒ある立派な神輿です。本社神輿が出る祭りは「本祭」「表祭」といい、盛大に行われます。
今では、隔年や三年毎に行う神社が多くなっています。(町の予算と担ぎ手の関係でしょうか)本祭以外を「陰祭」「裏祭」と呼びます。
本祭とくらべて少々盛り上がりに欠けます。
ギャラリーも少ないし、町自体も何だか静か…淋しいものです。

神輿の起源は、大分の宇佐神宮
奈良時代の話になりますが、宇佐神宮は、東大寺の大仏建立に協力します。その際に、宇佐の八幡大神(=応神天皇)が紫の神輿に乗って上京した事が、始まりだそうです。
紫の輿は、輦輿(れんよ)とも呼ばれ、天皇が使用する高貴なものでした。神=天皇という事なのでしょうか。

神輿は、揉み振られます。
神社によっては、ぶつけ合ったり、水を掛けたり、海に入ったりもします。
これはすべて、神霊の威光を高める為のもの。魂振りといいます。
神輿の荒い年は豊作だという、いわれもあるそうです。
神幸祭とは違いますが、長野の諏訪大社の御柱祭は、死傷者が出るほどの荒い祭りで有名ですね。
これは諏訪大社の祭神が荒ぶる神であるためです。
荒ぶる神は、人々の死をも恐れない勇敢な姿を見て喜ぶといわれます。
神社の祭神がそれぞれ違うのと同様に、祭りの形態もいろいろです。

祭りの後の宴は?
祭りが終わると神霊は再び、神社の神殿に戻されます。
神輿は神輿蔵に保管されます。氏子たちは集まり酒宴を開きます。
これを直会 なおらい といいます。
単なる打ち上げとは違い、直会までが、祭りの一環で神事です。
神前に供えた、お神酒などを下げ、皆で頂く事に意味があるそうです。
神と同じものを頂くことで、神の霊威(パワー)を授かるみたい。
直会は「直る」と「会う」で、「普段の生活に戻る」「皆一同に会いする」の意。
また「直日神」に通じ、祭礼中の過ちなどを反省し正すというの意があるようです。