2025.08.21
新書体「積木」
第5回モリサワ賞国際タイプフェイスコンテスト、1996年だったかな。もう29年前になるのか。早いものだ。デザインもアナログからデジタルに変わってきた頃だが、まだMacで使える書体も少なかった。応募した「積木」書体は銀賞をいただいた書体。当時のコンテストではデザイン文字も少なく、明朝、ゴシック系の書体が多かった。無いものを創ろうとチャレンジした書体が当時は珍しかったのか、審査員の目にとまったようだ。その後2回ほどで終わってしまったが、10数年前にモリサワ賞は再開した。 文字にも流行はあるんだろうが、再開後のコンテスト入賞作品の傾向として、ベーシック系書体が多いようにも思う。明朝、ゴシック、楷書、行書などの既存の活字書体のような応募書体には創作性はあるんだろうか?私は「書」で言う臨書ではないかと勝手に思っているし、うまく書けても賞に値するものでないと思っている。審査員も内容も変わり、出す気力も魅力もすっかりなくなってしまった。もう長い事、埋もれていた積木書体だか、フォントとして残しておくことにした。制作意図は「文字を書くという概念からパーツを組み立てる発想でアンバランスさを楽しむ…。」みたいなことだった。当時の気持にはなれないが、印象は残しながら、バランスの調整、今の気持でブラッシュアップってとこかな。まあ人に左右されず我が道を描いて行こう。それにしても今年は暑いなあ。40°が普通になるのだろうか。たまらんたい。次は爽やかな強い風「青風」。早くて年内、新年かな。