2025.06.12
新書体「ゆかり」
もう12年前か。「あかり書体」。次いで「ひかり書体」、そして今回その中でも細いタイプ「ゆかり書体」を制作した。20数年前に出かけた秋田の鶴の湯温泉に行った時のイメージで制作した。小川のせせらぎ、水車、雪解け水で冷したビール、部屋のランプ。宿は何も無い静かなところだったが、ゆっくり流れる時を楽しんだ。もう今年も半分に差しかかってきたが、その時はゆっくりの時を過ごせたようだが、時の流れは早いな。デザインもアナログからデジタルに変わって、Macで制作するようになって33年ぐらいなるのか。その間イラストレータ、コピーライタ、フォトグラファと時代の流行の主役も変わり、写植、版下、製版などもなくなり、情報はネットの中ですぐに手に入り、便利な世の中になってきた。最近はAIによってイラストも文章も写真だって簡単に合成できて、書体も簡単に作れるようになるだろうけど、今ある情報と数値で作れたとしても、見た目での調整、錯視調整、黒み調整など感覚的なことはまだまだ時間がかかるのではないだろうか。だかプロとアマの差が少なくなってきているし、そんなにこだわらなくて済んでしまうのかと思うと残念にも思う。書体販売はCDからダウンロード販売になり、定額制、そしてサブスクが主流になってきた。時代の流れで私も今年の2月からAdobe Fontsに参加した。まだまだ単品での販売もあるので、当分は同時進行で進めるつもりだ。状況は変わっても、文字づくりは何もかわらず一文字ずつ地道に。次回は「積木」。秋頃かな。